Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2013年8月2日(金) 「最近やってしまった失敗」

2週間ほど前、肩と背中が限界に達したため、マッサージに行った。初めてのお店である。なぜそのお店を選んだかというと、①他にも数店舗あるのでなんとなく安心②初回割引がある③家から近い が理由だった。バリ風のお店に入ると、まずは強烈な香りに圧倒された。「過ぎたるは及ばざるがごとし」。イヤな予感がしつつも、施術を受けているうちに私はウトウトし始めた。すると、寝ているとわかると、担当の施術師が手を止め始めた。バレないと思ったのか、あからさまにサボっているのである。頭にきたので、「起きてますけど」という空気をこれでもかというほど醸し出してみた。しかし、それでも明らかに前半とは違い、手を抜いているのが感じられた。ストレス解消どころか、後半はストレスがますますたまっていった。これは私の失敗なのかどうかわからないが、選択を誤ったという点ではやはり自分の失敗なのだろう。やはり「安い」には何らかの理由がある。(M)

「完全無欠、金甌無欠な私が失敗することの懸隔こそ面白味!」と、ベルトをつけ忘れたものの、膨張した腹でジャストフィットしたズボンをはき、ヤクルトレディーの口車に乗ってヤクルトとタフマンを混ぜ合わせた、所謂「ヤクマン」の冒涜的な味に辟易しながら言い放つのは、いささか説得力に欠ける。昨日、通勤の途中でベルトをつけていないことに気付いた。めざましテレビの占いでおとめ座が最下位だったせいか。ラッキーアイテムの冷奴を食べなかったせいか。ファッションにこだわれば、家に戻るところだろうが、遅刻になってしまう。私は刹那の恥を甘受しつつも、時間の遵守を選択した。笑うなら笑えばいい。これは韓信の股くぐりなのだ。だが、私にはすがるものがあった。確か、モデルのような白人の同僚もベルトをしていなかったのだが、彼はベルトをしていないファッションがむしろ格好良かった。外国人コンプレックスを頭の中から徹底的に排除した場合、ベルトをしていない私の、結果としてのファッションもなかなか捨てたものではないだろうかと信じたいところだが、実際は唾棄されてしまうのは何故か。こうした悔しさは時に歴史を動かす。ベルトのないズボンでそのまま出社し、整腸しようとヤクルトを買おうとしたところ、ヤクルトレディーから「タフマンにヤクルトを混ぜたら、味がマイルドになって意外に美味しいんですよ。『ヤクマン』いいですよ!」と勧められた。「役満!」 麻雀をほとんど分からないにもかかわらず、いや麻雀が分からないからこそなのか、「ヤクマン」の響きだけで、連想に連想を重ね、清朝末期から第二次大戦前までの魔都上海租界の妖しく背徳的な雰囲気を感じ取ってしまった。試してみた。意外とは言うまい。美味しいヤクルトなら74円で済んだ。126円追加で支払い、私は現実を知ったのである。(HK)

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