Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2013年5月10日(金) 「ケーキ」

GW中に実家に帰った。お土産は、オレンジのパウンドケーキ。それを受け取った母は「バウンドケーキ、ありがとう」と言った。何度言っても、母は「パウンド」と言えず、「バウンド」と言う。昔からずっとである。「ケーキは跳ねないので、バウンドではないからね」と言っても、「パウンドケーキのパウンドは重さの単位から来てるんだよ」と説明をしても、そのときは笑って納得するのだが、また「バウンド」と言う。挙句には、「パウンド」でも「バウンド」でも、いいじゃないかとまで言い出す始末だ。パウンドケーキは、 小麦粉、バター、砂糖、卵をそれぞれ1ポンド(パウンド)ずつ使って作ることから「パウンド」ケーキと名づけられたお菓子である。だったら、一度、一緒に作ってみるのはどうだろう。だが、そもそも「ポンド(パウンド)」という単位になじみがないのだから、やっぱり無理な話だなと、妙に納得した。というわけで「バウンドケーキ」で、もういいか(笑)。(M)

容貌は峭刻となり、肉落ち骨秀で、眼光のみいたずらに炯々としている。小学生に戻りたいと思った。「いちごのショートケーキを食べました。おいしかったです」。これに日付、曜日、天気、適当な絵でも書いておけば、一日分の絵日記は完成するのである。私の苦境など知ったことではないと多くの人は言う。その通りなのであるとは先般承知だ。先日息子の誕生日に乗じて、ショートケーキを食べた。そして美味しかった。クッキーやビスケットなど口の中が乾くものは苦手だが、ショートケーキはいちごの瑞々しさが心地よく、食べられる。美味しかった。それ以上に書けることがあるか。「パンがないなら、ケーキでも食べればいいじゃない」と言い放てるような人物になれば、ケーキというお題ごときで苦しむこともないだろうに。苦しんでいるのは、ひとえに私の誠実さによるところとしたい。文章をこのまま大団円にしてしまうことが誠実かどうかは知ったことではない。(HK)

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