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2012年11月30日(金) 「最近読んだ本」

健康オタクの先輩から「枯れる野菜」について話を聞いた。野菜は植物なので、本来は「腐る」ものではなく「枯れる」ものだという。農薬などが多く使われている野菜は、時間の経過とともに腐ってしまう。しかし、何も使用せず、自然に育てられた野菜は「枯れる」のだ。これを聞いて、うわ~~と目からうろこであった。それを知ってから、1冊といわず、何冊もそういう類の本を読んだ(HK同様、図書館を活用して)。ちょっと前に流行った「野菜ソムリエ」は私にはおしゃれ~すぎて、とてもなれないが、野菜について勉強をした。例えば「有機野菜=無農薬」ではないということは、言われてみて気づいたことだった。知れば知るほど、無農薬野菜の貴重さがよく分かる。こだわりすぎると、とても家計がついていかないので、全部に気をつけるのは無理。ただ、お野菜を選ぶときの基準を自分で持つことができるようになったのは収穫だと思う。(M)

成功に導くための一筋の光を与えてくれた自己啓発書でも挙げれば、優秀なビジネスマンという羨望のまなざしを集めることもできるかもしれないが、自己啓発書をほとんど読まないので、どの本を挙げてはいいか分からないし、そもそも成功実績はない。優秀なビジネスマンという虚像を作ったところで、嘲笑されるのが落ちである。最近読んだ本は、旧ユーゴスラビアのノーベル賞作家イヴォ・アンドリッチの『ドリナの橋』だ。ボスニア・ヘルツェゴビナにある橋を舞台とし、建設(16世紀)から第一次世界大戦時に爆破されるまでの歴史小説である。複数の民族(宗教)が反目と協力の狭間で共存していたが、ナショナリズムの勃興により、崩壊していく様を描いている。夏以降、急激に高まった東アジアでのナショナリズムに刺激されて、大学時代に課題図書として読んだことを思い出して、図書館で借りて再度読んでみた。感想や学びなどスパイスの効いた一言でも書けば、ここまで読んで無駄な時間を過ごしてしまった希少な読者の方への、せめてものお見舞いになるかもしれないが、読書感想文は面倒なので、代わりにこの書を読んでいた電車で乗り合わせた周りの乗客に、橋の建設を妨害したキリスト教徒の農夫が串刺し刑に処さられるシーンで「本を読みながら、顔をしかめ、身をよじっている変な人が電車の中にいた」という酒の肴を提供した。ちなみにこの本は、図書館の返却期限、私の持つ市民としての正義感によって、読了は断念せざるをえなかった。再度借りるのも、唯一この本が置いてある、市のはずれにある図書館までの遠さ(車で30分くらい)に躊躇しているうちに、読了する気に失せた。最近気になる本はさいたま市議で大宮独立を掲げている吉田一郎氏による『消滅した国々~第二次世界大戦以降崩壊した183ヵ国~』が気になって仕方ない。東ドイツからインドネシア独立戦争で乱立した国家群まで地図、歴史マニア(私にとって)にとって垂涎の一冊だ。まだ読んではいないが、この本の発刊で興奮しているので紹介してみた。今月発刊なのにAmazonで在庫切れなので(「早くも在庫切れ」なのか、「元々入荷していない」のかはわからない)、これは早めに手に入れないといけない。(HK)

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