Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2012年4月20日(金) 「時代劇」

そういえば、昔は時代劇をよく見ていた。お気に入りは「鬼平犯科帳」。あの渋~い吉右衛門様の鬼平がたまらなかった。春夏秋冬を彩ったエンディングも大好きだった。勧善懲悪にして悲哀のある雰囲気。当時はナイトスクールに行っていたのだけど、鬼平の日は嫌いな先生の授業でもあったので、自主休講としていた(週に1回は多すぎたけど・・・)。子どもの頃は大河ドラマもよく見ていたが、いつの頃からか一切見なくなった。理由を考えてみたところ・・・キャストが若すぎる!ということが原因になっていることが分かった。「時代劇に出る俳優=なんとなく年上」という潜在意識が私の中にあったようだ。そして間もなく「キャストが若い」ではなく「自分が歳をとった」ということにも気づくのだった。もう私が楽しめるのは、水戸黄門くらいだったりするのだろうか。(M)

清々しい男とは常に堂々としているものである。よって堂々と言うが、私は実に陰険、陰湿な性格をしていて、浅薄な知識を披露して喜々とするような小さな男なので、時代劇の勧善懲悪を素直に楽しむことができない。例えば遠山の金さんである。まず奉行が入れ墨をしていいのかという問題がある。業務時間中に街中をふらつくなんて暇の極みだ。そもそも悪を懲罰して、得意げになっているが、町奉行所の役割として治安維持があり、毎週のように江戸市中で死罪や遠島になるような重犯罪が発生してしまうのは、町奉行所の統治が完全に破綻しているからではないのか。遠山景元は更迭されてしかるべきだ。時代劇全体に言えることだが、考証が足りない。例えば、源氏物語の女性キャストなど、だいたいにおいて現代において美人女優が固める。あの頃の美人の基準をちゃんと考証しろと言いたい。ただ、問題は忠実に再現したら、見る気がなくなるということだ。考証はあいまいな方がいいかもしれない。(HK)

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