Editor's Room

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2011年10月14日(金) 「ノーベル賞」

まあ、見事にノーベル賞などというものには無縁である私だが、そのノーベル賞を身近に感じられることがあった。2002年に「史上はじめて自然に発生したニュートリノの観測に成功した」ことでノーベル賞を受賞した小柴先生が、私も大好きなアイスクリーム屋さんのアイスクリームが大好きということを知ったときだ。そのアイスクリーム屋さんは、しぼりたて牛乳を使った無添加のアイスクリームがウリにしている。そのあっさりとしたアイスクリームを一口食べれば、食べつくすまで止まらない。イチゴの季節には、生イチゴを目の前で砕いて、イチゴミルクアイスを作ってくれる。そこのアイスが好きだなんて、なんて、お目が高い(そしてなんて庶民的)。お店の中に小柴昌俊さんのスウェーデン土産であるノーベルの肖像のメダルが飾られていたとか。小柴先生と「史上はじめて自然に発生したニュートリノの観測」について1分たりとも、語ることはできないが、アイスクリームについてなら、10分くらいは語れる気がする。(M)

まったりとした昼下がり、木漏れ日が部屋に差し、私はソファーの上で猫をひざに抱え、セイロンティーの芳醇な香りを楽しんでいた。突如、有閑な空気を掻き乱すように電話が鳴り響いた。仕方なしに出てみる、ノーベル賞受賞を知らせる電話であった。私は溜息を一つつくと「そのような賞には関心ありません」とだけ静かに言って電話を置いた。ノーベル賞日本人受賞という世間の狂騒をよそに、外界との接触を一切絶ち、再びセイロンティーを楽しみながら、猫の背中を撫でるのであった。ノーベル賞というお題で思いついた夢、「ノーベル賞受賞辞退」の妄想である。(HK)

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