Editor's Room

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2011年7月29日(金) 「わたしが美しいと思う日本語」

昔から「涼しい」という言葉が好きだった。だったら子どもの名前を「涼」とか「涼子」にすればいいのだろうが、まあ、それとこれとは別ということで。「涼しい」という言葉には、英語の「COOL」では表現できない奥の深さがあるような気がする。「凛とした」感じもあるし、「聡明な」感じもある。「冷静さ」も表現できるし、字としても美しい美しい日本語である。HKの原稿のように、誰にも媚を売れないつまらない原稿になってしまったが、その辺は涼しい顔をして見逃してほしい。(M)

"Je ne sais pas!! Je suis français. J'habite à Paris." 「人の一生は重き荷物を負うて遠き道をゆくがごとし」という徳川家康の遺訓が頭をよぎるほど単位取得に難渋したフランス語の知識を余すとこなく披露したところで、「わたしが美しいと思う日本語」という題からは遁走できない。自分がパリジャンではないことを今ほど恨めしいと思ったことはない。美しい日本語が出てこないのである。「さいた さいた さくらがさいた」という表現は非常に美しいかもしれないが、桜が美しいという前提があるから言葉も美しいのであって、「さいた さいた カビの花がさいた」と書いたところで、全く美しくない。ただ日本には幸いなことに桜や、弊社秘書陣、幣コーナーのエディターを筆頭に美しさに事欠かないが(検閲・校正済み)、その美しさが日本語を美しいものにしているのかもしれない。(HK)

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