Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2011年2月25日(金) 「タクシー」

バブル時代、タクシーの空車が本当に少なく、捕まえるのに苦労した。バブル時代を知らない若者には信じられないだろうが、確かにそういう時代があった(こういう書き方をすると、年齢を感じるなあ・・・)。友人もみな、空車を見ると、乗るつもりがなくても、もったいなくて手を上げてしまうと言っていた。そんな時代があった。その頃、タクシーは私の生活の一部だった。深夜帰宅はもちろん、会社に遅刻しそうになるとタクシー、歩き疲れたらタクシー。成田空港からタクシーで帰ったこともある。「そういう時代だった」で済ませるには余りある愚かっぷりだ。そして今、どんなことがあろうがタクシーは乗らなくなった(乗れなくなった)。この東京で、歩く、自転車、バス、電車で行けない場所はない。楽さはタクシーにはかなわないが、結構、楽しくもある。それにしても、バブルって怖い時代だったなあ。(M)

タクシーに乗る前、いつも祈ることがある。寡黙な運転手でありますように。饒舌な運転手が苦手なのである。ただ会話を求める運転手は多い。狭い空間で会話がないのが、それほど苦痛なのだろうか。まるで、初デートで会話の途切れる恐怖と戦っているかのようだ。あなたは美男子である私に興味があるかもしれないが、私はあなたに興味はない。興味があるなら、2キロ300円くらいにしてくれればいいものの、もし安くされたら、それこそ深い興味があるかもしれないということなので、乗りたくない。その点、外国でタクシーを乗ることは楽だ。会話が成り立たないからだ。だが英語圏などは、外国人は英語を知っていて当たり前という雰囲気でまくし立てられることがあるので要注意だ。機械が進む世の中なので、会話をしなくてもいいタクシーが現れないだろうか。運転手の安全を守るために、音声が一切漏れない壁で運転主席を囲ってあり、乗客は機械で行き先を入力。目的地に到着したら、自動料金支払機に料金を投入しないとドアが開かないというタクシーがあれば、もっと気軽に乗れるのだろう、私がお金持ちだったら。そのようなタクシーは味気ないという意見もあるかもしれないが、東京砂漠にはお似合いだ。(HK)

itoh.comトップ > エディターズ・ルーム > 2011年バックナンバー

go Pagetop