Editor's Room

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2010年5月14日(金) 「新幹線」

いつから新幹線は身近な乗り物になったのか。思えば子どもの頃、新幹線は特別な乗り物であり、憧れであった。その憧れの気持ちを蓄積しすぎたあまりに中学生の頃となると歪んでしまい、祖父の葬式で岡山に行くときの新幹線の車中では、祖父の死という悲しさと、新幹線に乗れた嬉しさが同居し、感情は極めて複雑であった。大人になると、怠惰で時間にルーズな性格から東京から新横浜へ行くときでも新幹線を使う羽目になるなどしているうちに、私の中で新幹線は特別な地位から転げ落ちた。ただ私の今の仕事は出張がないため、新幹線の出張には憧れる。とくに出張帰りの新幹線の中でのビールは至福だという噂を聞いているせいもある。話は変わるが、熊本出身の元同僚が、九州新幹線が全通できると福岡の勢力圏になってしまい、熊本が廃れてしまうと嘆いていたが、そもそも東京の勢力圏である埼玉は新幹線によって地位が高まったのではないか。東北新幹線、上越新幹線、山形新幹線、秋田新幹線、長野新幹線の全ての列車が大宮駅に停車するのだ。これほど新幹線が止まる都道府県は東京都くらいしかない。日本2位という厳然たる事実は埼玉県民としての自尊心をくすぐるものである。(HK)

いろいろな路線が増えたが、私にとって新幹線とは、やはり「東海道・山陽新幹線」だ。私の中では、東京と大阪の真ん中は名古屋だという意識がぬぐえないので、東京~名古屋間にかかる時間にどうしても慣れない。何度乗っても「名古屋って意外と遠いんだよな~」と勝手なことを思っている。誰かが「旅路は3時間くらいがちょうどいい」と言っていたが、私もそれには同意する。2時間では短すぎるし、3時間を超えるとたいくつする。乗り込んで、少し落ち着いたらお弁当を食べる。車内販売でコーヒーを購入し、持ってきた雑誌や本に目を通し、眠くなったら少し寝る。3時間あれば、一度目を覚ましてもまた眠れるし、本に戻ることもできる。2時間だと降りる時間が気になって、おちおち寝てもいられない。のぞみが1992年に登場して東京~大阪間が2時間半になった。さすがに3時間新幹線に乗りたいからと言って、ひかりを選ぶことはないが、2時間半では少し物足りなさを感じる。便利にはなったが、やっぱり東京~大阪間3時間の時代が懐かしい。(M)

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