itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。
2010年4月23日(金) 「レンタル」
虚心坦懐自身と向き合った結果、私は所有欲が強いという結論に達した。私は思想家の剛田氏がまとめた思想体系、つまりは「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」というジャイアニズムに信奉者の恐れがある。ジャイアニズムとレンタルとは相容れないものであり、よって私はレンタルをあまり活用しない。旅先でのレンタカーと、iTunes Storeで売っていない曲のCDを借りる程度だ。本のレンタルというと図書館だが、本の所有は私の所有欲の中でも上位にあるため、あまり利用しない。よくよく考えてみると、本の所有欲は知識欲の結晶ではなく返却するのが面倒だからということであり、レンタル嫌いの根底となすものとして所有欲ではなく、ものぐさである可能性が高い。(HK)
昔住んでいたマンションの前にレンタル本屋さんがあった。当時ですら「いまどき」という感じだったが、まさに家の前だったので、雑誌などをたまに借りて読んでいた。店主はかなり怪しい感じだった。いい人に見えなくはないのだが、なんだか関わりたくない雰囲気を持っていた。たまに本の買い出しに自転車で出かけている姿も見たことがあるが、挨拶するのも戸惑ってしまっていた。するとある日突然、お店が開かなくなった。何の予告もなく、本当に突然だ。それっきり、2度とそのレンタル本屋さんは営業していない。あの怪しげな店主に何があったのだろうか?自転車に乗っている姿を見かけることもなくなった。今でもたまにお店の前を通るが、特に取り壊されている様子もなく、当時の建物のまま残っている。あの店主はどうなったのかという私の疑問は解明される日は来ないだろう。(M)