Editor's Room

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2009年12月4日(金) 「最近読んだ本」

通勤帰りの電車内は貴重な読書時間だ。行きは睡眠時間である。友人が多い人はメールの返信などに手間取り読書時間が削られるという。憐憫の情を禁じえない。幸いなことに私は友人が少なく、さらに稀にきたメールの返信はおざなりにするので、読書の時間を確保できるのである。本屋で宮田珠己氏の『わたしの旅に何をする。』というタイトルに惹かれて買って読んだところ抱腹絶倒し、帰りのラッシュが楽になった。周りの人が遠巻きになったからだ。安易に「自分探し」「人生観」などというお題目を掲げる旅行に対して唾棄したくなる私にとって、著者の文章の面白さはもちろんのこと、旅行のスタイルは憧れだ。何度も読み直し、『ときどき意味もなくずんずん歩く』、さらに絶版となっているデビュー作の『旅の理不尽 -アジア悶絶編』も中古で手に入れた。最近は宮田珠己氏に集中していたところ、大学時代のゼミ教授から、最近教授が編著した本を贈られた。読み始めてみたもののページがあまり進まないのは、入念に読んでいるからだと断固主張したい。この本は私の血となるだろう。印税は教授が立場上我々OBに対して大目に払うこととなる酒代となり、その酒を我々がいただくからだ。先生の印税のために皆さんも是非『日中戦争とイスラーム -満蒙・アジア地域における統治・懐柔政策』をご購入されたし。(HK)

最近、上野千鶴子さんが書いた『おひとりさまの老後』を読んだ。上野千鶴子さんといえば、女性学、ジェンダー学の第一人者で、以前にも何冊か著書を読んだことがある。世界一長生きの日本女性は、最後は「おひとりさま」になる確率が高い。そこで、元気なうちに、いろいろと準備をし、予備知識を得ておこう、というのがこの本の狙いだ。本書では、どこでどう住むか、誰と付き合うか、どんな介護を受けるか、お金はどうするのかなど、いろいろな視点で「おひとりさまの老後」について書かれている。介護される側のマナーまで書かれていて、本当に勉強になる。この本を読んで、いろいろと準備しなければと考えさせられるとともに、老後を迎えるのが楽しみになってきた。なんとなく覚悟ができたといったほうが正確かもしれない。しかし、国がもう少しサポートしてくれると、もっととありがたいのになあ。(M)

最近読んだ本で、一番印象に残っているのは、『しばられてみる生き方』という本です。タイトルにインパクトがあり、amazon からのお知らせメールを読んで、すぐに買ってしまいました。タイトルだけ見ると、誤解されそうな気もしますが、この本のサブタイトルには、「軍隊式・超ストレスコントロール術」とあります。著者は、自衛隊のカウンセラーで、ストレスコントロールに軍隊のあり方が参考になるのではないか、という視点で書かれた本です。精神的なストレス、肉体的なストレスが、人にどういう影響を与え、それによってどうしてメンタルの病気にかかりやすくなるかが、非常にわかりやすく書かれていて、理解しやすい。部下をもつ人にとっては、部下のストレスに対する考え方について、新しい視点を与えてくれる本ではないかと思います。実際に軍隊式をとるかどうかはともかく、参考になること思います。とはいえ、一番気に入っているのは、タイトルですかね。(C)

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