Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2009年10月30日(金) 「映画館」

映画館は言うまでもなく映画を楽しむ場であったはずだ。そうした前提はいつ崩れたのか。いつからデートスポットになったのか。前の席で肩を寄せ合っているカップルがいると「芸術を鑑賞する場で破廉恥な!」と憤ってしまうのは、何ら非難されるものでないだろう。あえて男4人で空前のヒットをしていた「タイタニック」を見に行った。周りはジャックとローズの悲しい恋に感動し、涙するカップルだらけであった。硬派であり純情な我々は明らかに異様だった。見る人によっては妖怪に見えただろう、私以外の3人が。感動のクライマックスが終わり、照明が付くと我々は「これほどまでに騒がれる映画ではない」と喧噪し、大いに顰蹙を買った。映画館とは映画を楽しむ場であり、デートスポットであるほかに、人を法界悋気の塊にする場でもあるのだ。(HK)

お盆休みに3年ぶり(!)に映画館で映画を見た(以前は月に数本見ていたのに・・・)。久しぶりに見る映画は、あえて大作ではなく、笑える映画を選んだ。朝イチの映画館は思ったより混んでいた。レディスデーだし、シネコンだから、こんなものかなと思っていた。久しぶりの映画を楽しんで、出てきたら・・・そこはラッシュ時の山手線のように人でごった返していた。出口へ進むこともできない。レディスデー目当ての女性に加え、「ハリーポッター」の新作や、仮面ライダーものを待つ子供たち+保護者がひしめきあっていた。とにかくすごい人である。チケットを購入する時間で映画1本見れそうだ。お盆は都内から人が消えるんじゃなかったのぉぉぉ~~と叫ぶこともできず、人をかきわけ、なんとか外に出た。もうしばらく映画館は行かないかもしれないと思うくらいの出来事だった。(M)

すっかりシネコンに慣れてしまったなあと感じます。全席指定・入れ替え制は基本だし、キレイで座り心地のよいシートや、前の人の頭が全く視界に入らない段差も快適。チケットは事前にネットで購入して、上映時間ギリギリに行けるなんて、とっても便利ですよね。最近ではそれが当たり前になっていたので、この夏、古いタイプの映画館に行って戸惑ってしまいました。いつ入っても、出ても自由。朝から晩までず~っといるのも自由。どこに座ってもいいし、混んでいればきっと立ち見もできるはず。あまりに勝手が違うので、私はちょっとおろおろしてしまいました。でも、来ているお客さんは皆のんびりと好きな席に座り、好きなように映画を楽しんでいらっしゃる常連風。雰囲気があって素敵でした。こういう映画館もまだあるんですね。そこだけ、ゆったりと時間が流れているみたいでした。(YK)

最近、映画館に行っていません。DVDをレンタルして、家で観ることのほうが多い。行こうと思ったら一人でも観に行くのですが、最近は、そういう衝動があまり起こらない。いずれ、DVDになったら観ようと思うことが多い。この文章を書きながら、それはなぜだろうと考えています。映画館まで観に行こうと思うかどうかは、自分自身の状態なのか、それとも本当に映画に魅力を感じないのか。もし映画に魅力を感じないとすると、自分のアンテナに引っかかるものと引っかからないものの違いはなんなのか。自分の状態とすると、映画館まで行かないということは、どういう状態ということなのか。お題を考えているうちに、哲学的な気分になってきました。(C)

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