Editor's Room

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2009年2月13日(金) 「昔話」

私が好きな昔話は「ヘンデルとグレーテル」です。「ヘンデルとグレーテル」といえば、お菓子の家ですよね。私が持っていた絵本にあったお菓子の家の絵は、今でも覚えています。クッキーやチョコ、キャンディでできた家なんて・・・住んでみたいと子ども心に思っていました。ところが、この原稿を書くにあたり、お菓子の家以外、内容をまったく覚えていないことに気づき、先ほど検索してみました。「ヘンデルとグレーテル」って、親が子供2人を山に捨て、帰れなくなった子どもたちはお菓子の家を発見するものの、魔女にとらえられるというお話だって知ってました?(もしくは覚えていましたか?)。子ども2人は知恵を使って魔女を退治し、家に帰って、子供を捨てたことを後悔している親と幸せに暮らしましたというのが結末です。グリム童話は結構、残酷な話が多いと聞きますが、これも結構残酷だったんですね・・・。「ヘンデルとグレーテル」には夢を抱いていたので、かなりショックです。(M)

人の昔話を聞くのは楽しい。特に子どものときのエピソードは、おどろくほど「その人そのものだなぁ」という内容が多い気がする。知り合いの女性(おしとやかだけれどおっちょこちょい)は、小さいとき人前で恥ずかしくなってスカートを引っ張りあげて顔を隠したのだそうだが、そのときパンツが前から丸見えになっていることには気づかなかった、とか。友人の男子(とてもゆっくりしている)は、小学生のとき家でコケを育てていた、とか。わたしの姉(よくわけのわからないことを一人でしゃべっては騒いでいる)は、小さいころ食卓で「バタオをちょうだい」と言い出し、「バタオ」の意味がわからない親はバターを持ってきたりタオルを持ってきたりしたが、姉は「違う! バタオったらバタオだよー」と泣き叫び、しかしバタオがいったい何だったのかいまだに謎である、とか・・・。みなさんは、どんな昔話をお持ちですか? 誰かと親しくなったら、その人の小さい頃の話を聞いてみてください。その人のことをさらに好きになるかも・・・。(MT)

昔話といえば『まんが日本昔ばなし』だろう。誰もが「♪坊や~ 良い子だ 金出しな~」という替え歌を歌ったはずだ。あの龍に乗ってみたいと思ったのは私だけではないはずだ。とはいえ、私がここで語りたいのは日本昔ばなしのことではない。シンデレラのことだ。シンデレラに夢を抱いている人は多いと思うが、勘違いするな。あれはシンデレラが美人だから成立する物語なのだ。シンデレラが美人だから王子に見初められたにすぎない。百歩譲って、シンデレラが虐げられている姿を見て見初めたのなら救いはあるが、見初めた場所は華やかな舞踏会だ。王子は性格より顔で、舞踏会という浮ついた場所で人を選んだのだ。さらに落とした靴を返すことをせず、それを材料に権力に物を言わせてのストーカー行為。王子は女性の敵に認定されるべきだ。私が合コンで開口一番「女は顔だ」などと口が裂けようものなら、この世の地獄を味わう羽目になるのに、昔話になると許される。私はそのような女性のダブルスタンダードを許すことはできない。(HK)

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