Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2008年8月29日(金) 「自転車」

自転車は乗らない。とにかく乗らない。むろん乗れないわけではない。自慢ではないが、私の運転技術はなんと一般人レベルだ。ただ家が駅から近すぎ、また少し離れた場所に行くときは車を使ってしまう、現代文明の弊害そのものが私である。こんなことでは一昔前の中国人になることは不可能だ。しかし運転免許を取得する前は、自転車を使っていた。私は大学に二度通っているのだが、最初の大学の1年次のキャンパスは日本一暑い熊谷にあった。バス代がもったいないからと、友達にそそのかされて熊谷駅からバスで30分の道のりを自転車通学した。自転車通学のおかげで日本一暑い熊谷は、日本一異常気象であると認識するにいたった。ある晴れた日、広大な荒川の河川敷に差し掛かった途端に襲い掛かって来た豪雨、突風、落雷。突風で何度か欄干に押し付けられられるなど散々な思いをしている横を自転車通学の仲間入りを拒絶した裏切り者を乗せたバスが通過していった。熊谷でのキャンパスライフが終われば、埼玉の北の方にある熊谷から南の端の草加まで自転車を持って帰るはめになった。サイクリングが趣味なら苦にならないだろうが、ママチャリで70キ??蹐???なかなか苦行だ。最初は同じ関東平野だからとなめていたら、埼玉の中心の方は微妙な台地が多く、体力の全くない私は難儀した。私がその大学を辞めたのは自転車のトラウマから抜け出したかったからだ、、、というのはウソだ。(HK)

自転車のいいところは、しばらく乗っていないからといって、乗れなくなる心配が無さそうなところだ。楽器はいつも弾いていないと確実に弾けなくなるし、外国語も使わないとすぐ話せなくなるけれど、自転車はそうではないところがありがたい。だからというわけではないが、二年前に引っ越しをしてから自転車に乗っていない。行動範囲を広げるためにも自転車を買おうと思いながら、なんとなく買わないまま二年が過ぎてしまった。自転車に乗って行きたいところが特に思い浮かばないせいもあると思う。でも運動不足解消のためにも、やはり買おうかな。(MT)

以前、仕事でツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアの番組の翻訳をさせてもらったことがあります。いわずと知れた自転車の世界的ロードレースです。名前くらいしか知らなかった私は(ジロは名前すら知らなかった)、選手やルール、表現の仕方などの勉強から始めました。なかなか大変な作業でした。仕事をしながら、いい大人がどうして黄色いジャージ(個人総合時間賞)やら赤の水玉ジャージ(山岳賞)を目指して頑張るのか・・・などと思っていました。しかしいつの間にか、すっかりその魅力に魅せられてしまいました。この競技は、個人が賞をもらうにもかかわらず、チームでアシストしていくというチーム競技でもあります。なかなか面白いと思いませんか?チームの中でいつまでも一番になれず、他のチームに移籍する人などもいるそうです。私が担当していた年には、ランス・アームストロングが連覇を懸けて走っていました。シェリル・クロウと婚約もしていたアームストロングは、ガンを克服した後、このツールを7連覇しました。ガンだと判明した時の生存率は20%とも2%とも言われていたらしいので、驚異的な精神力と肉体力の持ち主ですね。偉業を成し遂げる人って、何か特別なものを持っているんだなぁと、ママチャリ愛用者の私は思ったのでした。(M)

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