Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2008年7月4日(金) 「オリンピック」

昔はオリンピック、オリンピックと騒ぐ世間を「ふーん」と思ってみていた。ただ、始まってしまえば、スポーツ好きなので、人より熱くなって見てしまう。という冷の状態と熱の状態を4年(冬季を入れれば2年)毎に繰り返していた。しかしいつの間にか、オリンピックをずいぶん前から楽しみにするようになっている自分に気づいた。大人になると感動することが少なくなる。映画を観ても、音楽を聴いても、鳥肌が立つ!という経験が減る(個人差もあるだろうけど・・・)。ただ、オリンピックでは本物の感動をもらえる(しかもタダで)。今まで興味のなかった、もしくは知らなかったスポーツ(たとえばカーリングとか)の面白さも教えてもらえる。4年前、小さな身体で金メダルを獲った野口みずき選手や勝負の時には顔つきが凛々しくなる谷亮子選手、そしてテニスが好きなのでスイスのロジャー・フェデラー選手(日本の錦織選手もがんばれ!)など、今回のオリンピックも熱くなる要素が満載だ。ただひとつ、オリンピック後、バーンアウトしてしまう自分が今から心配である。そういえば「24」を観た後も必ずバーンアウトしてしまうが、意外とのめりこみやすいのだろうか、私。(M)

7月14日に行われる北京オリンピックサッカー日本代表の発表に先立って、日本代表候補合宿のメンバーが発表となった。もう知っている人も多いと思うが、私のアトランタオリンピック以降4大会連続の代表落選が確定した(アトランタ以前に日本が参加したベルリン、東京、メキシコオリンピックはまだ生まれていない)。私が北京のピッチに立つことはない。サッカーのオリンピック代表には年齢制限があるが、オーバーエイジ2名というシステムがある以上、30歳という私の年齢が落選の要因ではない。私の落選は、ピエール・ド・クーベルタン男爵の「オリンピックは参加することに意義がある」という理念の喪失の象徴であるといわざるを得ない。競技力だけで代表選手を選ぶという悪しき慣例に強く異を唱えたいのだが、そうした慣例を打ち破るだけの度胸は日本にはない。私が日本にいてもオリンピックの夢を見られないのである。私でも代表選手に確実になれる国を探してみたところ、都合のよい国が見つかった。。ターゲットはシーランド公国だ(http://ja.wikipedia.org/wiki/シーランド公国)。人口は4人なので代表選出は確実だろう。4人でどうやってサッカーをするのだと疑問もあるだろうが、私のような考えの人があと6人揃えば試合が出来る(7人以上そろった場合は試合に出れなくなるのが)。想像した、シーランド公国の国歌に胸を熱くして、改めて国のために戦おう、国民に感動を与えようと武者震いをしている私の姿を。国籍の取得方法はわからないが、爵位がインターネットで19.99ポンドで販売しているというので、これを購入すれば国民になれるのだろうか。おまけに庶民ではなく貴族になるのでお得だ。だが、シーランド公国には大きな問題がある。国際的に国家として認めていないのだ。国際法上は国家の成立が他国の承認によってなされるとする創設的効果説と実効的な国家の成立のみで宣言的効果説があり、宣言的効果説であれば、シーランド公国の国土が海底に設置したアンカー部分、2本の円柱、甲板だけであっても確かに領域と実効的支配が存在し、住民も存在するとなれば国家の三要素を満たすことになり、独立宣言をしているシーランド公国の成立は認められるべきである、私がオリンピックに出るためにも。ロイ・ベーツ公およびマイケル摂政王子の政治力に期待している。だがもっと大きな問題があった。調査を進めたところシーランド公国には既にシーランド代表チームが存在しているらしい。どうもマイケル摂政王子がデンマークのチームのストライカーに「我が国の公式サッカーチームに任命する」という書簡を一方的に送りつけたことがきっかけに、そのチームが代表チームになってしまったとのこと。余計なことを。国民になろうとしているものに対しての摂政王子の裏切りだ。サッカーでオリンピックに出場する手段は潰えた。(HK)

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