Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2008年2月1日(金) 「地図」

昔の同僚で海外旅行といえば香港という人がいた。毎年何回も夫婦で香港に行くそうだ。買い物とおいしいものを食べることだけが目的だと言い切っていた。当時の私には同じところに1年に何度も旅行に行くということが理解できなかったが、今なら少しは理解できるかもしれない。ある日その人を含め、地図を見ながら「今度はここに行きたいな」などと雑談をしていたときのこと。その人が突然、「へー、ハワイってこんなところにあるんだ」と言った。「え・・・。ほ、ほかにどこにあるの?」という言葉を私は飲み込んだ。(なぜならその人は上司だったから。)よく珍しがられるが、私はハワイに行ったことがない。だけどハワイの場所は知っている。歴史でも地理でも習ったと思う。それから数年後、かつてこのエディターの一員であった一人もハワイの場所を知らなかった。「日本の下のほうにあるんだと思ってたよ」と彼女。ハワイの場所を知ってるってことは、意外と自慢できることなのだろうかとも思ったが、そんなことはないか。ちなみに送別の品として、彼女には地球儀をあげました。(M)

初めて欧米の世界地図を見たときは、新鮮な驚きがありました。ヨーロッパが中心で、日本は右端で、ちょっと不恰好にふくらんでいる。「だから日本は FAR EAST なんだ」と納得したものです。世界地 図は、いくら眺めていても飽きることがありません。実家では、ヨーロッパ版の大きな世界地図を、部屋の壁に貼っていました。地図を見ているといろいろなことを思いますが、とくに何が好きか、というと、わたしの場合は、どの国がどこにあるのか、というのを知るのが好きなのではないかと思います。小学校のときは、東京23区、そして、日本の都道府県の白地図に、それぞれの区の名前や県の名前を書き込んでいくのが好きでした。いまでも白地図を見ると、すぐに書き込みをしたくなります。まったく話は変わりますが、わたしはカーナビで、北方向を上に設定しているのが好きでした。その方が俯瞰的に自分がいまどの位置にいるかわかるからいい! と思うのですが、よく反対されます。いまでは進行方向を上に設定して運転するのに慣れましたが、俯瞰的に位置関係を把握しながら移動したほうが、道を覚えるのではないかと思うんですけど、どうなんですかね?(C)

地図は史上最大のエンターテイメントだ。ファンタジーだ。地図以上に面白いものがこの世にあるだろうか。さすがに普段は地図を持ち歩くことはないが、インターネットの地図は暇つぶしにしょっちゅう見るし、旅行などの際は国内、海外問わず必ず現地の地図を持ち歩く。旅行の目的の一つは、二次元の地図の三次元化といっても過言ではない。子どもの頃から地図が好きだった。スリランカの首都はスリジャヤワルダナプラコッテ!チャドの首都はンジャメナ!などと、オタクな友人と競り合い、そのうち本気の喧嘩になったものだ(だいたい負ける)。蛇足だが地図帳でほとんど点になるようなカリブ海、南太平洋諸国は好きではない。地図は私に抜群の地理感覚をもたらしてくれた。子供の頃は鼻高々に分かりきった道を得意げに道案内しては親に生意気なガキという印象を植えつけた。そして大人になった今でも私が道に迷うことは絶対にない、というのは誇張だが、迷わない自信は常に持ち合わせている。惜しむらく、時代が時代ならローマ初代皇帝であるアウグストゥスがPrinceps Civitatis(「プリンケプス・キヴィタティス」市民における第一人者」と呼ばれたように、私はPrinceps Assi(「プリンケプス・アッシー」アッシーにおける第一人者」)と称し有象無象の軽薄な男どもとは格の違う光り輝くアッシーになったものの、死語となるほどにアッシーという尊ぶべき風習が廃れてしまったがために有象無象の一人と成り果てている。今がバブルだったら・・・生まれてくるのが遅すぎた。(HK)

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