itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。
2007年9月21日(金) 「虫」
鈴虫やこおろぎの虫の音は秋の風物詩であるが、図々しくもその他の虫も我が物顔に跋扈しているようだ。甚だ迷惑である。朝目覚めると右半身が無数に虫刺されしていた。ダニか?わたしの部屋は自己評価をすればキレイというほかないが、第三者の濁りきった目で見れば汚いと評価する程度だ。もしダニなら、私の自己評価が間違っていることとなる。しかしダニにしてはあまりに症状がひどすぎる。どれほど凶暴なダニが私のベッドに潜んでいるのだ。そんなわけはない。病院にいったところ、ひと目見ただけで医者は「毛虫だ~、かゆいよね~」と言ってくれたおかげで、私のベッド不潔説は根底から否定された。医者は中年のオヤジだったが、女神に見える。後光も差しているようだったが、蛍光灯で頭が光っているだけだった。虫を刺された前日の夜に家にある枯れ木の下を通ったのだが、ここに無数の毒毛虫がいて、その木に触れたか、毒針毛が舞っていたのか分からないが、それにやられたのだった。痒みはひどく、その憤りは殺虫剤で毛虫どもを一網打尽にするまで続いた。災難は続く。会社帰りの電車の中で目を覚ますと右腕に黄色と黒の縞模様の物体が目に入った。熱狂的な阪神ファンならまだしも、阪神ファンよりも凶悪な大きなハチであった。寝起きで頭が働いていなかったのか、ハチの恐怖よりも席に座り続ける安穏さを選んだのか微動だにしなかったら、獰猛そうなハチは隣の人の下へ移動して、さらに車内をパニック状態にして、最後は外のホームに放逐された。(HK)
子どもの頃、家のお風呂場によくカマドウマが出ました。コオロギに似ているので、わたしはどちらかというとかわいいいと思っていましたが、ひとつ上の兄はやつらを恐れていました。兄の入浴中にカマドウマが出現すると、わたしが助けにいくというのが常でした。ビニール袋をかぶせた右手でカマドウマを捕獲するのですが、やつらはぴょんぴょん飛び跳ねるので、なかなかすぐには捕まえられません。飛び跳ねるたびに悲鳴を上げる兄を不憫に思いながら、せっせと掴んでは窓の外に逃がしてやったものです。その後、実家は改装され、家でカマドウマに出会うことはなくなりました。何年か前にどこかでカマドウマを見たとき、あまりに気持ち悪くて、ビニール袋越しでも絶対触れない、と思いました。子どもの頃はむしろ親しみを覚えていたのに。ゴメン、カマドウマ。リベラルで勇敢だった、あの頃の自分がまぶしい。(MT)