Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2007年9月14日(金) 「印象深いプレゼント」

昔付き合っていた彼女からもらったプレゼントが最も印象深いと書けば、なんともロマンティックだ。こんなところでノロけ話をするなという意見もあるが、事実その彼女からもらったプレゼントが一番印象に残っているので開き直りたい。数年前、仕事帰りに電車の中で偶然彼女に出くわした。森の中でいきなり熊に出くわしたようなものである。バス旅行帰りだった彼女からいきなりお土産を渡された。山梨方面と聞いていたので、信玄餅とか、それかワインか、果物かと期待したが、それにしてはあまりに細長すぎる。お土産の中身は新巻鮭まるまる一本だったのだ。。。あまりの予想外の展開に怯むのは仕方ないだろう。一体どこに行ってきたのだ?数あるお土産の中からなぜ新巻鮭を選択したのだ?それから先のことは、あまり覚えてない。ただ、これをどうしようかと頭いっぱいになっていた。彼女より手前の駅で降りる私の、ホームを生臭く、若干湿ったダンボールを抱えて悄然と歩く姿を見て彼女が何を思ったのかは知らない。ただ、その後私に届いたメールに「最初からプレゼントしようと思って」とメールが入っていて、とどめを刺された気持ちになった。新巻鮭は実家生活だったので、何とかなったが、もし一人暮らしだったらと思うと夜も眠れない。この話を周りの人間にしたところ、早速「新巻鮭男」というニックネームを頂戴した。北海道に旅行に行ったとき、ついたタイトルが「新巻鮭男、北に還る」だった。(HK)

これまでの人生で印象深いプレゼントは2つある。1つは、オーストラリアの高校に留学していたとき仲の良かった男子生徒からもらった、泥カニのハサミ。泥カニはオーストラリアの高級食材で、食べるとおいしい。プレゼントは、その彼が釣った(そしておそらく食べた)泥カニのハサミ部分を切り取り、セメントの台に埋め込んだもの。わたしが日本に帰国する直前に、特別な宝物をあげると言われて受け取ったので(彼は非常にまじめで礼儀正しいナイスガイであった)、ありがたく日本に持ち帰ったものの、飾るのもなんとなく危ないし、困った挙句、本棚の隅にブックエンドとして置いてみた。今日も実家の本棚で異物感を放っていることと思う。もう1つは、昔付き合っていた彼氏からもらった、温泉地みやげの置物。人間のような鬼のような形で、昔流行したオバタリアン、あるいは怒髪天を連想させる。顔は緑色で、目は赤い。「キミに似ているから、あげる」と言われ、目が点になった。その置物も、泥カニの近くで宙を見つめていると思う。ところで、今回はなぜか文体がHKに影響されてしまったことをお許し願いたい。(MT)

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