Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2005年11月4日(金) 「秋の味覚」

秋の味覚といえば、マツタケでしょうか。マツタケを重宝しているのは日本だけだそうですね。確かに独特の香りがあるため、嫌われるのも分かる気がします。うちの実家では、毎年、この季節に10本くらいマツタケが獲れます。そしてそれを送ってもらって焼きマツタケやマツタケご飯を作ります。残念ながら今年は夏の雨が少なくて、採れなかったようですが・・・。私は海も山もある自然の中で育ちました。だから食材がおいしいというのは、私にとって当然のことでした。普通の夕飯に高級魚といわれている(これも東京に来て、初めて高級魚だと知りました)鱧(ハモ)や、太陽を浴びて真っ赤になったトマトなど新鮮な野菜が登場しました。あの頃の私には、こういう有難さがまったく分かっていませんでした。今、たまに実家に帰ると、本当に素材のおいしさを感じます。都会は、ものが豊かで恵まれていますが、田舎も別の意味で生活が豊かだなぁと最近、感じるようになりました。(M)

秋の味覚といえば、私は「柿」ですね。収穫の秋には、いろいろな作物がとれますが、私が一番うれしいのは、果物です。梨も葡萄もおいしいと思いますが、柿は秋にしか手に入らないということもあって、とても秋を感じる果物です。昔、祖母から「柿は金持ちにむかせる。桃は貧乏人にむかせる」という言葉があると教わりました。柿は皮を厚くむいた方がおいしいから。一方、桃の皮はできるだけ薄くむいた方が、おいしいからだそうです。柿も種類によって歯ざわりが違いますが、私は「コリン」とした歯ごたえの柿が好きです。(C)

秋の味覚といえば、松茸である。まさに秋の王様。「香り松茸、味しめじ」といわれるように、古来よりその豊かな香りは人を惹きつけてやまない。私もそんな一人である。しかしながら、その価格からなかなか松茸の味を堪能することは出来ない。コンビニでアルバイトしていたある年の秋、お菓子の発注リストに秋の味覚の王様が登場した。「松茸ガム 30円」。いままで涙をのんで我慢してきた松茸の味と香りが、たったの30円で味わえるのである。周りの制止を無視して興味本位で発注してみた。商品が届くと一番最初に購入して味わってみる。「なんじゃ、こりゃ!?」松茸のくせのある香りを濃縮させた臭いが袋を突き抜けて臭う。口に入れてみると松茸の味は霧散して、よくいえばレモン味。悪くいえばおがくず味(おがくずを味わったことはないが)。私が仕入れた松茸ガムはガム類の棚の一番下で年越しどころか桜前線まで迎え、私はいつまでも店長にイヤミを言われ続けたのであった。(HK)

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