上に対しても、下に対しても、同僚に対しても、同じ口の利き方をする。そしてすべての人を平等に扱う練習が必要です。そのためには、あなたが思っていることを最低でも5時間から10時間、ぶっ続けで誰かに聞いてもらうことです。
ベストセラー『窓際のトットちゃん』を書いた黒柳徹子さんは、誰とでも同じ口を利くんですよ。小学生のとき、校長先生に3時間ぶっ続けに話を聞いてもらった。それがターニングポイントになった。誰とでも同じように口が利けるようになるには、そういう機会が必要です。
だって僕たちは話を聞いてもらえないでしょう? 10時間とか20時間とか。だから人に話を聞いてもらうことが、どれくらい意味を持つかということを知らない。情報を押し付けられることはあるけど、出して整理する時間はあまりにも少ない。
うちの息子は、お風呂に入ると1時間話しています。その話に我慢できるかどうかは大事です。人の話を聞けるようになるかとか、人を平等に扱えるようになるかは、やっぱり訓練なんですね。さんざん仕事して疲れて帰ってくる。将棋しようよ、と言われて、するかどうかなんですよ。炎天下、二日酔いで、ようやくやってきた日曜日の朝に、キャッチボールをするかどうかなんですよ。
目上とか目下とかを超えたところで話をしたり聞いたりできるか、ということだと僕は思う。それをやっていないと、上には甘く下には厳しく、権力に屈してしまうんだと思いますよ。僕ができているからではなくて、僕はそうしようと思っています。 |