やっぱり会って好意を示さないと駄目ですね。何でもいいから好意を示さないと。
20年くらい付き合っている友達がいるんですが、その友達となぜ続いてるかというと、二人で会うと、お互いにお互いを褒め合っているからですかね。いろいろと仕事の都合などでも会うんですが、「こうして僕たちが会うためにこの仕事があるんだね」とか話をして、もうすごい褒めあうわけ。「君が周りの人をどんどん活かしていくのがすばらしい」と言うと、「それを伊藤さんが教えてくれたの」「そういう風に言える君がすばらしい」とか、二人でずーっと言い合ってる。それで家に帰ると、また二人でホラ吹き合ってたか、と言われ、結構続く。でもやっぱり彼とはすごく上手く行ってる。好意を示してるから。
彼がハーバード大学の医学部に留学していたとき本当にあった話なんですけれど、ボストンフィルハーモニーのチケットがあったので女の子を誘ってコンサートに行こうと思った。でも女の子を誘ったら、ナンパだと思われて誰にも断られちゃったんです。それでどうしようかと思ったんだけど、いつもお掃除をしてくれるすごく太った黒人のおばさんがいたので、なにげなく彼女を誘った。すると彼女はすごく喜んで、ちょっと待ってろと言って着替えに行くと、ギンギラギンの格好で戻ってきた。それで一緒にコンサートに行って、ご飯を食べて帰ってきたそうです。それで次の日からが大変。彼の名はカズオというんですが、カズオはすごいいいやつだ、ということで病院中で評判になっちゃった。それから病院で居心地がものすごく良くなったと言ってました。
彼が得意とするのは、好意を示すことです。今日一緒にいて嬉しい、と。そういうのをセカンド・シグナルと言います。一緒にいて嬉しいとか、一緒にいて楽しいとか、君がいると同じご飯でも美味しいとか、この間これを食べていて君に食べて欲しいと思っていたんだとか。そういう、好意を表す言葉を50ぐらい自分で書いて、上から順番に言うのが大事ですよ。気持ちも無いのに言っていいのか、と思うかもしれませんけれども、気持ちを蘇らせるために練習する価値はあります。何も言わなければ錆びるだけですから。それは大事なことなんです。やっぱり好意を伝えていくのはすごく大事です。言っても何かあまり機能しないなって思うかもしれませんけども、１００回言って１回ぐらい機能すれば十分だと僕は思いますよ。 |
