魅力的な人に出会うために何したらいいか、という努力もすごくいいんですけど、近くにいる人を魅力的にした方が早いかなって僕は思ってるんです。近くにいる人を魅力的にするためには、「今日はきれいだね」とか「すてきですね」とか、そいうことばかり言い続ける。ケチつけて良かったことは一回も無い。批判して人が変わったのを見たことがない。批判してうまく行くなら自分にした方がいい。
「すごい!」とか「いいですね!」とか、誉め言葉を辞書で引いて50ぐらい紙に書いて羅列するぐらいの生き方をしないと、魅力的な人を育てたりできないし、だいたいそういうことしないと自分が魅力的にならないですよ。だから超弩級の誉め言葉を持たない人の人生は、やっぱりつまらないと僕は思います。僕も最初のうちは、辛口で生きた方が格好いいかな、と思ったんですけど、最近は違いますね。英語では“acknowledgement”って言いますけども、もうそれはすごく大事。
30代ではじめて二部上場の会社の社長になった人と一緒にご飯を食べたことがあるんですが、その時僕はおごってもらって、車も呼んでもらった。いい人でしょ? それで、食事が終わって別れ際に、「どうもごちそうさまでした、さようなら」と言って帰ろうとしたら、彼がバーッと走ってきて僕の手をグッと握ってね、「今日お会いできて本当に良かった」って言うんです。泣きそうになりましたよ、僕。一生忘れない。一回会って、一生忘れない。
魅力的な人に会って何とかなろう、という気持ちはわかりますけど、周りの人を魅力的にしようと思わないと、そこにはなかなか行き着かないかもしれません。 |