コミュニケーションは原則的に1対1で交わされるものですから、複数の人とコミュニケーションを交わしているように見えても、実はそうではない。僕はここで皆さんに話しているように見えますけど、実は特定の人の方を見ながら話してるんですね。本を書いている時でも、ある特定の人をイメージしながら書いているのであって、複数の人に向かってコミュニケーションを交わすのは、なかなか難しいんじゃないかと思うんです。
例えば大勢に向かって「皆さん」と言いますが、「皆さん」という人が存在しているわけではない。皆さんはご自分のことを「皆さんです」なんて思わないでしょ? 「わたし」と思っているわけです。「皆さん」ていうようなものが歴然と存在しているのではない。基本的には1対1でコミュニケーションを作る、というのが原則になるんではないかと思います。 |