人の話を聞くためのテクノロジーの一つは、「聞く」ときに、ただ受け身で聞くのではなく「聞き出していく」ということです。上手くなれば、「何でも話していいよ」と言うだけで、相手は話すようになります。それは以心伝心ですから、そういうふうにいきますね。でも最初のうちは、質問を創り出していく必要があります。相手が持っている良さとか、相手の今抱えている問題は何なのか、ということについていろいろ聞き出していくことができます。
「最近仕事していてどう?」「何か仕事でつまずいているところある?」と聞くこともあるし、バランスを聞くこともありますね。「遊びとか、そういうののバランスは取れてる?」と。または、仕事で行き詰まっているときに、「同じような経験したことがあるか?」と聞くこともあります。そうすると、まぁ、もちろんあるわけです。そして「その時はどうしたんだ?」というふうに聞きます。
そういうのを“リソースを見つけていく”と言いますけれども、その方法としてたくさん質問をしていきます。答えは用意しないんです。上司は答えようとしますけれども、何回も言いましたけれど、相手と自分は違うわけですから、自分の答えは使える場合もあるし使えない場合もある。それよりは、その人自身の中に答えがある、というスタンスで考えて、質問をたくさんしていきます。 |