前に出たらあがりますよ。初対面の人と向かい合ったら緊張します。そういうものですよ。緊張しない人は問題ですよ。ただ慣れちゃった。慣れちゃったということは人生をつまらなくしたということです。やはり緊張するんです。
人前に出たらだいたい指先は6度から7度温度が下がるんです。多くの血液は、脳と大きい筋肉に行きますから。口の中も乾くんです。口ごもるし、言いたいことのほとんどが言えない。講演会が終わると「あれも言えなかった」「これも言えなかった」「あれを言っていればもっと受けたのに」と反省して帰るんです。そういうものです。皆さん、ありもしないものを見ているんです。緊張しないとか、落ち込まないとか。
落ち込むの、適度に。バランスをとるんですよ。午後3時頃は気分が疲れてきて、落ち込むんです。そういうものですよ。ずっと元気なんて、病気なんですよ。(笑い) だから、風邪ぐらいひく、おなかぐらい痛くなるんです。バランスを取っているんですよ。本に書いてあるように今日も元気に生きましょうなんて、いいの。元気出さなくてもいいんです。ダラダラでもいいんです。今あなたが、いい感じだなあと思う生き方が一番いいですよ。誰かのように生きなくていい。あの人のようになりたい! ならない方がいいですよ。あなたが「一番いいな」と思うことが一番いいんですから。
教育委員会で講演をしたときに先生方に聞きました。「どういう子どもに育てたいんですか?」「ユニークで独創性があって、元気な子にしたい」 じゃあ、窓から出入りしてもしてもいいの? と聞いたら、それはダメだ。(笑い) 国語の時間に突然歌を歌ってもいいの? それはダメ。今日は野球は3塁方向に走ってみたりとか、そういうのいい? ダメ。学校に自由に来たりしていいの? ダメ。ダメなんですね、やっぱり。 |