2006年07月20日
古田貴之先生
今週は、古田貴之先生に講演していただきました。
古田先生はロボット博士で、
現在は未来ロボット技術開発センターの所長でもあります。
もちろん、ロボット開発のお話はとても興味深いのですが、
古田先生は、他の研究者とはやはり違う何かを感じさせてくれる方です。
それは、これまで講演していただいた、
すべての先生方に共通している部分だと思います。
毎回、講演の最後に質問の時間を設けています。
今回、一人の女性スタッフが質問をしました。
「ロボットを作って、先生は何を目指しているのですか?」
古田先生は、即答しました。
「福祉・介護です」
私はまず、その答えに驚きました。
先生は続けて、
「私は、介護ロボットを作りたい訳ではないんです。」
と言いました。
ここからは私の要約ですが、
先生が作りたいのは、たとえば手が不自由であった場合、
食事をするのに、スプーンを\n口まで運んであげるようなロボットではない。
人は自分で動きたい、そして社会に参加したい。
だから、それをサポートする。
つまり、自分の手で、自分の口まで
運んでいけるようにサポートする。
モビール・スーツ、パワー・スーツのようなものを開発して、
直接、自分の手で自分の口に運ぶことのできるようなもの。
同じように、歩くことをサポートするようなもの。
身長190cmのロボット博士の求めるものは、
人の自律性を回復させること、
それから、人と人との関わりに価値を置くことでした。
ロボットをつくって、世の中の役に立つものをつくりたい
というミッションを終始話されました。
私たちは、ロボットの話を聞きながら、
これまでになく、人を身近に感じたのでした。
Posted by itohco at 15:30
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コメント
そうですね、システムやロボットは人の自立性を支援するものです。機能の拡張でも、取って代わりにやるものでも本来はなかったはずですね。何か目的を達成するために支援する。
まさしくコーチングですね。
投稿者 ちさ : 2006年07月20日 22:59
機能だけではなくそこに「自己信頼」が大切になってくるということですね。
なにかを「出来る」ようになった自信は更に人を動かします。
自分にもクライアントの方にも学習の機会を増やして、お互いにエネルギーを上げていこうと思います。
投稿者 五十嵐 : 2006年07月24日 10:15