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2006年05月31日
勉強会その3
今回の勉強会は、学芸大学の教授、
山田昌弘先生(『パラサイト・シングルの時代』の著者)に
お話ししていただきました。
山田先生とは15年来のお友だちです。
『パラサイト・シングル』でブレイクしてからも、
相変わらずフランクで、
話していると、いつも新しい視点があります。
山田先生のお話-----
「私の家の近くにマッサージ屋さんが2件あって、
1件は人間向け、もう1件はペット向け。
人間の方はガラガラだけど、
ペットマッサージは、お客さんが並んで待っている。
飼い主は5000円も払って、ペットをマッサージしてもらう。
彼らはマッサージしてもらうことにお金を払っているのではない。
ペットがマッサージをしてもらって喜ぶ顔を見たい。
そのためにお金を払っている」
「学歴がものを言う時代は終わろうとしている。
今、求められているのは、
創造力、コミュニケーション能力、そして cool であること。
coolの意味はいろいろありますが、
美的センスとか、そういうものなのでしょう。
要するに、これらのものをそろえていないと、
ペット・マッサージなどのサービスを考えつかないし、
ペットの喜ぶ顔を見たがる飼い主の心理、
それにも気がつかない」
------------
山田先生は、もともと家族社会学が専門で、
最近は、格差もテーマにしています。
この世の中にはさまざまな格差が生まれていますが、
格差が生じるひとつの場所として、
彼は「家庭」があると言っていました。
家庭といっても、単に経済力の問題ではありません。
また、子どもを単にいい学校に入れるだけでもだめなのです。
現代社会で生き残ることのできる子どもを育てる家庭の条件として、
彼が挙げた条件は次の3つです。
・ 家庭内に本があること
・ 両親が知的な会話をしていること
・ 子どもの頃に展覧会やコンサートに連れて行ってもらっていること
これらはひとつのシンボルだと思いますが、
要するに、これらのことによって、
創造性、コミュニケーション能力、
そして、cool な人間が醸成されるということでしょうか。
それにしても、ペットの喜ぶ顔って、どんなんだろうね?
Posted by itohco at 22:49
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