2006年04月25日
勉強会��
以前ＮＨＫで、９０歳の経営者が紹介されました。
彼のところで仕事をしている人たちの中には、
６０歳、７０歳の人たちがざらにいます。
当然、身体も以前のようには利かなくなるし、
会社や同僚に迷惑も掛けられないということで、
彼らは会社を辞めようとします。
すると、９０歳の経営者は、社員が疲れないように、
自分のペースで仕事をするように勧めます。
結局、彼は社員を辞めさせないのです。
辞めようとしていた社員も仕事を続けます
その社員に聞きました。
「奥さんは、なんて言っていますか？」
彼は言いました。
「『あなた、仕事に出かけるとき、楽しそうよ』って」
「幹細胞（何にでもなれる細胞）」は、
単にコミュニケーションによって、心臓や肺になるわけではなく、
その「場」を読むということを前回書きました。
「場を読む」
それだけではなく、場を、他の細胞と共に
創っているともいえます。
彼が会社に出てくることで
彼は会社に何かをもたらしているわけです。
もちろん、彼も影響を受けるわけですが。
チャップリンのモダンタイムスでは、
そこに仕事はあっても「場」がありません。
場に影響することはないわけです。
そうなると、人間も機械の一部になってしまいます。
毎日、会社に通う。
とっくに定年を過ぎた彼は、一緒に働いている人たちと仕事をする。
それだけではなく、お互いに
生きるということについての「意味」を自覚する。
以下は清水博先生の『場の共創』からです。
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共創は、個が共同体の生命の働きの中で行われ、
そしてこの生命力を強めてお返しをする
という形を取っているのです。
そのことから、共創している個は、
自己の生命の中に共同体の生命（自己を越える生命）を
自覚することができるのです。
事実として、人間は自己を越える生命が
自己の内部に働きかけて、
自己の創出の働きを助けていることに「感動」し、
その感動を与える共同体に生きることを
「喜ぶ」ように創られています。
頭ばかりになった人々からは、この共同体の生命力が衰えている。
人々の心を冷え冷えとさせ、気持ちを暗くします。
身体性を回復することは、共同体の供創力をあげて、
その生命を回復することなのです。
このことが、コンテキスト度を上げるのです。
ちょっと難しいですけど、９０歳の経営者と、
楽しそうに出社してくる定年を過ぎた社員。
彼らの創り出している世界はそういうことのように思います。
日本の会社の中に、まだまだ、それを垣間見ることがあります。
「目標達成とか、目標に向けて」なんて言うより
「改善」の方が、受け取りやすいんですね。
アメリカの会社でも、２０年、３０年と積み重ねている会社は
「ロイヤリティー」によって成り立っていると、
ニューズウィークで読んだことがあります。
これだけ会社組織が続いているんだから、
いいことはたくさんあるわけです。
「会社は人を幸せにするシステムだ」
というセリフもなかなか粋ですね。
Posted by itohco at 20:50
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コメント
共同体で行われる場の共創。
何度も読み返しました。
本場ハワイのフラ、特にグループで踊るフラを天井からのカメラで捉えた映像を見ると、それはまるでアジかイワシの群れのようです。
一人々々は個体なんだけど、それが集り大きなひとつの生き物のように動いています。
フラのチームで踊りお互いが繋がりうねりを共有できたとき、身をそれに委ね「踊るのではなく、踊らされている」瞬間がありました。とても高揚したのを忘れられません。
インターアクティヴな関係を通じて得ることができる体験。ひとりじゃだめですね。
投稿者 Ruiko : 2006年04月28日 10:23
あ、いや、違う。
一人の中にも共同体はあるわけですよね。
細胞・神経・マインド・感情・・・そんなものかな。
そこでインターアクティヴ・コミュニケーションが交わされているという話でしたよね。
内側で「場の共創」が実現されないと、いろいろとバランスを崩すわけですね。
「腑に落ちるか、落ちないか」がそのサインになるのかな。
そういえば病気になったとき、自分の中で不一致があったもんなぁ〜。
投稿者 Ruiko : 2006年04月29日 07:51
