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2005年07月04日

ありのままの自分を受け入れたとき

ありのままの自分を受け入れたとき、
はじめて自分を変えることができるとは、
なんと興味深いパラドックスなのだろう。

                 カール・ロジャース
                 米国心理学者 1902−1987年
                 
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カール・ロジャースは、エンカウンターグループの生みの親であり、
グループカウンセリングの第一人者でした。
人が変わるということについて、
彼は「変えるのではなく、今あるがままの自分を受け入れる」という、
ちょっと理解しにくい表現をしました。

これまで、自分を変えるということは、
「自分を意図的に変化させる」という意味で理解されてきました。
ですから、自分を変えたいと思っている人たち、
または、今、なにがしらかの苦痛を感じている人たちは、
とにかく自分を変える方法を知りたかった。

それに対するロジャースの答えは、
いますぐ自分を変えたい、変える必要があると思っている人たちには、
まどろっこしい、禅問答のように聞こえたかもしれません。
 
ロジャースの真意を私は知りません。
でも、「自分探し」とか「自分を好きになる」などのセリフを目にしたり、
耳にしたりするたびに思います。

やっぱり、「今あるがままの自分と向き合う」、
そういう機会がどこかにあればいいと。

頭の中で思っている自分ではなく、
現実の(?)あるがままの自分と向き合って、
何かそこに、気づきや発見があったときだけ、
意識して変えようとしなくても、必要な分だけ、
変わっていけるのだと思います。

いずれにしても、
自分を変えるのは「意識、無意識」でいえば、
当然、無意識なわけですから、
無意識、つまり、心の深いところで納得し、了解しない限り、
人は変わる必要など感じません。
それ以外は、変わろうとする「ポーズ」なんですね。
 
「ポーズ」でもいいんですけど、
「ポーズ」をとっている間は、
結局、あるがままの自分と向き合う機会を失うわけです。
 
ずいぶん前に、こういう話をしたら、
「あなたはロジャリアンですね」などと
レッテルを貼られたことがあります。
 
私はロジャリアンでも、ベジタリアンでもありません。
多少、偏食の傾向はありますが。

Posted by itohco at 17:09 | トラックバック