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2005年06月29日
過剰適応症候群
ハンス・セリエは最初、ストレスを「過剰適応症候群」と言っていました。
つまり、ちょっとした刺激にあまりにも過剰に反応してしまうということ。
ちょっと自分の噂話を耳にしただけで、悪い方へ、悪い方へ考えてしまう。
相手の自分への態度がちょっとよくないだけで感情的になり、
相手を攻撃してしまう。
メールのやり取りでは、こういうことはよく起こっているようです。
いずれにしても、問題は、そのことに過剰に反応してしまうことです。
私の知っている限り、大抵のことは、
時間が経てばどうということもなくなります。
でも、そのときはムキになるわけです。
許せないとか、ゆずれないとか、
ストレス反応を引き起こすわけです。
ムキになっているようなときは、
それなりに、生きている実感なんかもあるわけです。
それに、ムキになったり、怒ったりすると、
ストレスホルモンが分泌されて、交感神経が優位になります。
そして、その後、それを落ち着かせるために、
エンドルフィンなど、気分をよくするホルモンが分泌されます。
エンドルフィン。
自分の身体の中で作られる、ヘロインに似ているといわれるホルモン。
案外、それに対する依存症なのかもしれません。
過剰反応、緊張。
その反動でおとずれる、リラックス。
なんだかそこには、妙な実存感もあるわけです。
やっぱり、自分はここに存在しているんだという
実感が欲しいわけですから。
要するに、怒る人は、
今ここで起こっていることに腹を立てるのではなく、
ずっと怒っているんです。
そうしないと、自分が存在していることを実感できないから。
それに、自分ががんばっている割に、認められていない。
自分が我慢している割に見返りがないことに、腹を立てているんです。
気持ちはわかります。私もかなり我慢していますから。
いつか、懐から印籠取り出して、言ってやるんだ。
「この印籠が目に入らぬか!」
「へへー」なんて、ひれ伏したりしてね。
あはははは。