itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。
2017年6月2日（金） 「裏切り」
レストランには裏切れらることがよくある。最近はインターネット上にコメントやメニューがたくさんあり、もちろん点数もついているので、それを見て、想像してから予約する。ちょっと前に行った錦糸町の串焼き屋。ネットにあったおしゃれな食器にのったとってもおしゃれな器にのって、順次でてくる串は、どれも素敵で、期待通り。会話もはずみ楽しい時間でした。つい最近行った別の串焼き屋。食べ放題！に惹かれて行った私は盛大に裏切られた。食べ放題なので、味は期待せず、たくさん食べるか！と勇んでいった串焼き屋は、なんとセルフ串焼きでした。白い粉をとかしたものにつけ、パン粉をつけ、目の前の油に突っ込むと、じゅじゅじゅー！という音と匂いは、とても素敵でいい意味で裏切られました。その一方、串焼き食べ放題だし、こりゃー男子で行く店だよ！と思って行ってみたら、店内はカップルだらけ。秋葉原のYカメラのうえになぜにカップルで串焼き食べ放題……（T）
鉄道博物館のお土産コーナーは蟻地獄だ。子どもを連れて立ち入ったら最後、そのまま地獄の底に引きずられての金銭的打撃か、引きずり出そうとしての子どもの号泣か、どちらにせよ痛手を被る。まだ上の子が幼稚園に入る前の頃、ずるずるおと土産コーナーに引きずられ、「プラレールカメラ」（約1万円）を買い与えろと言って聞かない。誕生日でもないのに、そんな高いものを買うなんぞとんでもない。予算は500円である。この難局を切り抜ける手段はただ一つ。その場しのぎである。私はその場しのぎだけで、これまでの人生を切り抜けてきた。30数年間の経験が今ここに活きる。息子に言い渡す。「家にある全てのおもちゃを捨てるなら、今度買ってやる」。所詮は3歳児だ。どうせすぐに忘れる。赤子の手をひねるようなものだとほくそ笑みながら、家に帰ると、息子は手洗いうがいをせぬうちからゴミ袋を持ってきて、おもちゃを捨て出した。どうせ捨てられないものが出てきたり、捨てること自体にに飽きるだろうとたかをくくっていると、いつまでたっても捨てるのをやめない。一番大切にしているおもちゃですらゴミ袋に放るのである。彼の人生でここまで信念を持って行動をしたことがあったか。だがしかし、やはり特別な日でもないのにそんな高いもの買えないので、息子の行動を制すしかない。息子の期待を私はその場しのぎのために裏切ったのである。だが、心に引っ掛かりがあるのは当然。数ヶ月後の誕生に「プラレールカメラ」をプレゼントした。どんなに喜んでくれるか、私は大いに期待した。きっと毎日のようにそのカメラを使っていろいろなものをパシャパシャとビジュアルブックマークするのだと。翌日にはおもちゃ箱の肥やしとなっていた。電池は錆び、いまやどこで眠り続けているのやら。今度は息子に裏切られたと言いたいが、因果応報である。（HK）
空港の保安検査場を通る時「ライターやカッターなどお持ちでないですか」と聞かれ「はい」と威勢良く答えるのはいいが、だいたい何かで引っかかる。ハサミ、爪切り、ポケットナイフ・・・。「はいアウトー」と嘲笑する家族に友人。しょうがなく差し出し、透明のボックスに投げ入れられる。ここまでは良いのだ。問題は経由地でその国の、いやその人の独自ルールが適用され、更に没収される時だ。カメラのバッテリー、携帯電話の外付け充電器、機内で出された水、その他諸々。「これは機内に持ち込めません」と悪気もない様子で話す。「いやいや、今まで機内にあったんだし、そんなことは聞いてない」と訴えても結果が覆ることはまずない。そして意気消沈しながらも目的地について、現地の郷土料理を食べようと思ったら、明らかに現地人ではない人が調理している。しょうがない、じゃあ今日は日本食を食うかと暖簾をくぐれば、日本人でも現地人でもない人が寿司を握ってたりする。旅の理想と現実の狭間で、裏切られたことは数多し。ただ今となっては、機内持ち込み禁止物が常に引っかからなかったある国際空港のセキュリティー体制が憂いられる。皆様、良い週末を（N）
しょっちゅう裏切られる。裏切るのは他の誰でもない、自分自身だ。仕事の納期が迫っていて、夜仕事をしているときに、どうしようもない睡魔に襲われることがある。「ことがある」どころではなく、ほとんど毎日のように睡魔は襲ってくる。その睡魔に勝てず、「明日の私に期待しよう」と言って、仕事を切り上げ、眠りにつくわけだが、その「明日の私」は、昨日の私を見事に裏切り、またその翌日の私に期待をして眠りにつく。そうやって過去の自分に裏切られたツケを、納期前日の私が払うことになるのである。ほんとに、いい加減、学んで欲しいと自分に願わずにはいられない。(M)
